「涼宮ハルヒの消失」の感想と考察。4つの魅力的なポイント

僕が思う、映画「涼宮ハルヒの消失」の感想を、

製作者の方々のインタビューを踏まえながら
4つの魅力的な点をまとめました。

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では早速、1つ目から。


① キョンの情熱

まず、一番強く感じたのが
「映画のキョンは情熱的だなー」ということw

いつもはどこかやる気なさそうな感じで
「面倒事はごめんだぜ」的なスタンスでいたのに、
今作では一生懸命に葛藤してる彼に心打たれました。



キョンが、自分の気持ちに気付く物語

監督を務められた武本康宏さんは、
『公式ガイドブック「涼宮ハルヒの消失」』の中で
この作品のことを、

キョンがあらゆる物事を
「自分はこう思っていたんだ」ととらえ直すという話

と表現されています。

別に、
「元々情熱的じゃなかった奴が、急に情熱的になる話」
という訳ではなく、

「本当は情熱的だった奴が、自分の気持ちに気付く話」
という方がより近い言い方なのでしょう。


さらに武本監督はこう言っています。

キョンは、冷笑家やニヒリストにしないでほしいと、
テレビシリーズの頃から演出家やスタッフに伝えていたんです。

彼は目の前で起きていることを見下してもいないし、
つまらないと思っているわけでもない。

周りくどい物言いや皮肉を言いますが、
普通に笑ったり、怒ったりする高校一年生なんです。



僕はテレビシリーズを見ている頃は、
彼はてっきり周りを見下したりつまらないと思っている
キャラなのかと思っていましたが、

たしかにあらためてアニメを見返してみると、
そういうスタンスに近いんだけど、でもそうじゃない奴
って印象に変わりました。



そしてそれを踏まえた上で、映画の後半の自問自答のシーンを見ると
また彼の印象が変わりました。


特にラストの、

あたりまえだ。楽しかったに決まってるじゃねえか。
解りきったことを訊いて…くるなああああああああ!!!!

面白いかそうでないかと訊かれて、面白くないなどと答える奴がいたら、
そいつはホンマモンのアホだ。
ハルヒの三十倍も無神経だ。

何度聞かれても、俺の答えは変わらん。
当然だ。


のところ。

何度見返しても泣いてしまいます(@_@。

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② 長門有希の可愛さ

見ていて、
「長門かわいい!!!!」
と思った人、多いのではないでしょうかw

普段のぶっきらぼうな感じの彼女とのギャップが萌えます。



長門の「人間らしさ」

まず感じたのは、
いつものロボっぽい感じから一転して
人間的な部分が多いということ。
(まあ人間になったという設定なんだけども(^_^;))


声優を務められた茅原実里さんは
公式ガイドブックの中でこうおっしゃっています。

有希といえば、
声のトーンが低くて、何の抑揚もなく、
とにかく淡々と喋っているという感じなのですが、
その「いつもの有希の雰囲気」はあまり怖したくないなと思って演じていました。

有希らしさを保ちつつ”人間”にしたというか、
感情を普通の度合いにもっていったというところで、
そんなに難しくは考えなかったです。



なるほど。

「いつもの感じ」を残しつつの「人間長門」だったからこそ、
そのギャップに可愛らしさを感じたのだと思いました。



「女らしさ」も随所に出ていた

彼女は、キョンだけの記憶を残したままで
どっちの世界に行くのか、選択権を彼にゆだねた訳ですが、

なぜわざわざ彼にゆだねたかと言えば、
改変前の長門もキョンが好きだったから
という答えが一番自然だと思います。



演出を担当された高雄統子さんは、
同著でこうおっしゃっています。

たぶん改変後の長門は、キョンじゃなかったら、
確実に心惹かれるキャラクターだったと思うんです。

守ってあげたい女の子ですからね。

強力な力を持っていたのに、
男性のためにその力を捨ててしまうのは、
いかにも女の子だな
って。


うん、言われてみればたしかに!


作中のキョンが言っていたとおり、
彼女がバグやエラーなんかじゃなく
「感情」を持ってそういう行動をとったのだとしたら、

それは
「自分の能力を捨ててでもキョンと仲良くしたい」
という気持ちの表れ。

そりゃあ視聴者達も可愛いと思う訳だぜww



武本監督は、声優の茅原さんに対し、
「同性に嫌われるくらい演じて欲しい」と注文したとのこと。

たしかに、ただただ可愛いってだけではなく、
捉え方によっては「あざとさ」さえも感じるくらいの
アプローチだったかもしれません。


また、演じられた茅原さんもこうおっしゃっていました。

「俺はハルヒに会いたかった」という一行が、
私の中ではグサッときた
んです。

分かってはいたものの、
やっぱりキョンはハルヒが好きで、
ハルヒはキョンが好きなんだというのを
あらためて思い知らされたというか…

はあ、切ない……(笑)


めっちゃ感情移入してはる(@_@。


また、アフレコをしている期間は
気持ちが入るあまり、
キョン(役の杉田智和さん)の近くを離れたくなかったそうで

ここまで気持ちも役に徹しきってくれるからこそ、
あれだけ魅力的に感じるキャラになった
のだと思います。

     

③ ハルヒと長門の対比

この作品は長門有希がメインヒロインとして描かれていますが、
物語のヒロインはいわずもがなの涼宮ハルヒ。

気持ちの構図としては、
「長門→キョン→ハルヒ」
という図式になる訳で、
キョンを挟んでの2人の性格の違いを感じました。



「陰」の長門と「陽」のハルヒ

脚本を担当された志茂文彦さんは同著でこうおっしゃっています。

ハルヒが登場しているシーンは朝から放課後にかけて。
長門が登場するシーンは放課後から夜にかけてなんですよね。

ハルヒと長門が一緒に登場するシーンはSOS団の部室だけ。


明るい時間帯はハルヒがいて、
暗い時間帯には長門がいる。
その間をキョンが行ったり来たりしている。


すごく映像的な世界だと思いました。


これはこのインタビューを読むまで僕は気付きませんでした。

たしかに映像にした時、
長門の「陰」とハルヒの「陽」が明確に分かるような演出ができますよね。



また、アニメでは、
七夕の話やエンドレスエイトなど「夏っぽさ」を多く感じたのに対し、
映画では「冬」を強く感じました。

これもまた、美しい対比だと思っています。


演出の高雄さんはこうおっしゃっています。

『消失』を読んだ時に、
まず冬の情景が真っ先に浮かんできたんです。

色まで感じられるくらい、情感のある風景で。

その空気感がすごく良かったですね。
長門の孤独感や心細さが冬の冷たさとリンクして。


僕なんかが偉そうに言うことではないのですが、
すっごい共感します!


ラストシーンは、屋上で2人が話していて、
キョンが「ゆき」と言ったところで「雪」が降ってくるという流れでしたが
これは原作の小説には無く、劇場版用に変更された設定


あの、ひんやりした空気の中に
なんとも言えない温かさを感じるラストが最高でした。

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④ 他のキャラクターの魅力

長門とキョンに注目が行く作品だと思うので
中々他の人物の方には目が行かないかもしれませんが、
何度か見返していると
他のキャラ達にも魅力を感じました

僕が好きだった人物の感想を三人ほど。


1.古泉一樹

改変後の彼は、
ちょっと切ないポジションに移行させられたとも言えます。

元々彼は、ハルヒに対して恋愛感情を持っていませんでしたが
改変によってハルヒに恋するキャラになった訳で、
しかも、実質彼女はキョンと両想い(?)な感じなので
長門同様、実質フラれてしまう訳です。


いつもの、いい意味でのスカした感じの余裕が感じられず、
どこか悲壮感を感じました(^_^;)



2. 朝日奈みくる

特に印象的だったのが
大人バージョンのみくるさん。

彼女は、キョンが朝倉にやられてしまうことも分かっていた訳です。


その上であの場に現れて仕事をこなしていると考えると、
さっきの古泉とはまた違う感じの悲壮感を感じます。


「きっと、いつかあなたもこの高校生活を懐かしく思う日が来ます」

というセリフも、朝倉とのいざこざが起きる前の言葉ですが、
「全部を知っている上での発言」と考えて聞くと
より大きな言葉に聞こえて
きます。



3.朝倉涼子

僕は、彼女と長門有希をワンセットとして考えました。


彼女は、猟奇的で怖いキャラクターですが、
地味に一番怖いのは
そんな朝倉を生みだしたのは長門であるということ。

そこまで彼女の深層心理のセットとして見ると、
後半の朝倉の行動は、実は長門が
「キョンがハルヒの方に行ってしまうのなら、いっそ…」
と思っていたのではないか!?ともとれます(こわっ)。


そう考えると、
有希は、ただ可愛らしいだけの恋する女子というだけではなく、
深い嫉妬や憎悪も隠し持っていたのではないか?
とも受け取れます。




終わりに

一番最初に「2時間42分の長編」と聞いた時は
「長いなー。最後まで飽きずに見られるかなー」と若干不安だったのですが
そんな思いは単なる取り越し苦労で
そんな長さなど感じずグングン引き込まれて行きました。


実は「消失」は当初、
映画ではなくテレビアニメシリーズとして約7話分作られていたそう。

もちろん、アニメで7話かけてやってくれても普通に楽しめたと思いますが、
個人的には、映画でやってくれた方が、
長くも感じなかったし、結果的によかった
と思います。

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