宮崎監督のインタビュー内容を主軸にして6つ紹介します。
その他、
声優さんの裏話も加えました。
では1つ目から。
①当初、カオナシはただのわき役だった
ジブリ好きな人の中で「カオナシ」を知らない人ってまずいない!
ってくらい有名なキャラクターの1人なわけですが、
実は当初は脇役として設定されていました。
著書「千尋と不思議な町」の中で、
宮崎駿監督がおっしゃっています。
本当に単なる脇役だったんです。
でも、映像になってみたら妙に気になる奴だったんですよね。
そうなるとこっちも「アイツはなんであそこに立っているんだろう」
って考え始めるんですよね。
そうするうちに「あれ、使えるかもしれないな」となったわけです。
今となってはすっかりおなじみのキャラになっているので
てっきり最初からキーパーソンとして設定されていたのかと思いきや、
そんなことはなかったという。
でも、脇役としていたとしたら、
やっぱり気になるキャラなのでしょう。
あの表情の薄い感じと、雨が降っている場所にひっそりとたたずんでいる感じが、
これから敵になるのか味方になるのかもわからない、
独特な味をだしていましたからね。
②ハクの声優さんは、声変わり中にアフレコを行っていた
ハクの声を務めた、声優の「入野自由」さんは当時中学生。年齢が若かったため、声が現在とは少し違っています。
ご本人いわく、声変わり中の声だったため
もうあの時の声を出すことはできないそう。
僕が好きな彼のアニメ作品は
あの花のじんたんなど、いくつかあるのですが、
たしかに今の彼の方がしっかりと男性的な声をされているので
後からハクも入野さんだったと知ったのですが、
「そうなの!?」とかなり驚いた記憶があります。
③坊役の声優さんは、神木龍之介さん
ジブリ作品はタレントさんが声優さんに起用されることが多いですが、あまり知られていないのは
子供時代の神木龍之介さんが坊(湯婆婆の子)の声をやっていたということ。
その他にも神木さんは、
アリエッティなどでもジブリ作品にに出演されていますが
一番最初の作品はこれ。
さきほどの入野さんもそうですが
言われないと気付くのはすごく難しいと思います。
ちなみに大泉洋さんもこの映画に
木札をもらいに行った相手として少しだけ出演されています。
④宮崎監督は、ほとんど内容が決まってない状態で作り始めた
あれだけ緻密な内容で構成されている作品なのでてっきりあらすじをがっちり固めて作られたのかと思いきや
そうではなく、
「異世界に行って、最後はお父さんとお母さんと帰って来る」
ということだけ決めて、
いきなり絵コンテ作業をスタートさせました。
僕個人の感想ですけど、
この映画はしっかりした骨組みのある作品に感じられますが、
一方でなんとなくふわっとしている印象も受ける感じがします。
例えば海原の電車のシーンとか、
理屈で説明しようと思えばできるのでしょうが、
でも、理由は分からないけど「懐かしい」と思える感じとか
ただただあらすじを決めてそれ通りに作っていたのでは
もしかしたら出せなかった空気感かもしれません。
⑤当初は、「千尋たちが引っ越した家」から展開が起こる案だった
本編では、トンネルを抜けた先に不思議な世界が待っているという展開の仕方でしたが、
当初はそういう案ではなく、
同著の監督のインタビューでは
神様たちが通る山の中に造成業者が家を建てちゃって、
そこに引っ越してきたことでいろいろあって、
結果的に別の世界に迷い込むという展開を最初は考えていたんですが、
その発端は全部なくなりました(笑)。
気に入っていたんですけどね。
とのこと。
もちろん映画の方の展開の仕方もめちゃめちゃ良かったのですが、
この展開の仕方もそれはそれで見てみたかった!!(欲張り)
千尋が引越しをするという流れは
僕は「新転地に不安を抱えた少女の気持ち」を強くするために
あの不思議な世界があったように思っているのですが、
この裏話を踏まえて考えると、
「神様」を自然な形で出すための設定だったようにも思えます。
でもどのみち、
「転校先で不安」という気持ちがあることに変わりはなさそうですけど。
⑥この映画の核は「子供達が出て行く世の中」
同著でインタビュアーさんの「この映画の核は何ですか?」という旨の質問に対し監督は、
僕は今回
「これが僕の知っている世の中だ」
「君たちが出ていく世の中だ」と思ってこの映画を作ったんです。
僕はウソをついて、きれい事を言って、
今ここにある世界をその友人の娘たちに見せたいとは思わなかったんです。
とのこと。
たしかに、「夢の広がるファンタジーな世界だなー」
と感じる人はほとんどいない作品だと言えます。
僕が初めて見たのは十代の子供の時でしたが、
とても厳しい世界で強制的に働かなければならないという状況の中で
みるみる強くなっていく少女の姿を観て、
自分はこんなに強くたくましく成長していけるのかと
不安な気持ちにもなりました。
そういう感情を揺さぶってくれるという意味でも
貴重な作品だと言えます。
終わりに
この記事は、ホントかウソかわからない都市伝説的な情報は控え、できるだけリソースのあるものを厳選してまとめました。
監督の想いや裏の話に触れた上で観返すと
僕は今までとはまた違う感じ方になりました。
あまり宮崎監督はテレビに露出する機会もそこまで多くは無いですし
まして10年以上前の作品を語る機会もないと思うので、
当時語ってくれたエピソードは貴重なものですね。
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以上です。読んでくれてありがとうございます。
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