前半は赤緑、後半は金銀シリーズでの設定を集めたので、
読んでみて下さい。
では行きます。
当初のタイトルは「ポケットモンスター」じゃなかった
すっかり「ポケットモンスター」というネーミングで定着してる、というかそれ以外の名前何て違和感がありますが、当初のタイトルは違っていました。
「カプセルモンスター」という名前でした。
制作者の田尻智さんは、ポケモン(当時はカプモン)に子供時代の思い出を詰め込みだかったそうで、「カプセル」という言葉には、例えば、小学校時代に埋めた「タイムカプセル」や、駄菓子屋に置かれていた「ガチャポン」というような、まるでちょっとだけSFの世界に入り込めるようなファンタジーな言葉でした。
田尻智さんは言います。
「ぼくの少年時代を全部、ゲームの中に表現したいと思ったわけです。ぼくがあの頃にウケた知的刺激ですね。それを全部、ゲームに封じ込めたかったわけですよ。
だからあれは、子供たちにって言うよりも、実はぼくと同じ世代の人たちに、こんなことがあったでしょって、伝えたいっていう気持ちですね。でもそれが子供たちにも伝わったわけですよ。
子供の世界は変わらないっていうかね。時代が変わっても、子供が面白いと思うことは同じなんですね」
結局、「カプセル」という言葉自体に商標登録がされていて、使うことができませんでした。
カプセルじゃないならどんな言葉があるだろう?となった時に、まず「ボールはどうだろう」という案が出て、その流れで「モンスターボール」という言葉になります(本当は『モンスターカプセル』って名称だったんでしょうね)。
ただ「ボールモンスター」という言葉は、重い感じがしたため却下。「ボールはポケットに持ち歩けるよね」という言葉が出て「ポケットモンスター」という言葉が誕生したのです。
当初の色は「赤・緑」ではなかった?
初代ポケモンと言えば赤緑ですが、最初はそうじゃなかったんです。じゃあ青版だったか?そうじゃなくて、7色のカートリッジを発売する予定だったんです。黄色やオレンジ色も考えられていました。虹のようなイメージでしょうね。
7色がいいと提案したのは、「マリオ」の生みの親であり、アニメポケモンの「シゲル」と言う名前の由来にもなっている宮本茂さん。
さすがに7色と言うのは現実的ではないということになり、赤緑になったんですが、
なぜ赤緑かと言うと、マリオとルイージが赤と緑だから。
任天堂の赤と緑が基調となっているゲームは売れるという、一種の信仰のようなものだったのかも?
赤緑完成までの期間
ポケットモンスター赤緑は1996年に発売されましたが、製作期間はどれくらいかかっていたのか?なんと約6年半。80年代から製作されていたんです。
何がそんなに時間がかかったって、一番大きかったのは「データ容量の問題」。
当時はまだ「ゲームボーイ」の時代。そこまで容量のあるゲームソフトを作れる時代ではありません。そしてポケモンは「151匹集める」ということに大きな意義があった。
でも、マサキのポケモンに151匹以上のモンスターを所有させられなかった。当初の容量は、マックスでたった30匹まで(だから1つのボックスに30匹までだったんでしょうね)。
その時、手を差し伸べてくれたのは、マリオの生みの親、宮本茂さん。
株式会社ポケモン代表の石原恒和さんは言います。
「最後の最後にね、宮本さんが、それで全然ゲームが変わってくるのであれば32キロバイトのSRAMにしようよ、って言ってくれたんですよ。それで捕まえたポケモン用のデータエリアがガーンと増えて8倍になったんです」
当時「32キロバイトのSRAM」にするというのは、莫大なコストがかかることでした。売れなければ赤字の可能性もある。それを「151匹捕まえられた方が良いゲームになるなら」とリスクをとれる宮本さんの判断は素晴らしい。
いやあ、マサキのパソコンが「30匹まで」だったなら、こんなに大ヒットはしなかったでしょうね。
6年半かかった理由は他にも、通信交換を面白くするためのアイデアが中々でなかったり、資金を稼ぐため別のゲームを製作したりで、足掛け6年半かかったからです。
「ゲームボーイポケット」の由来
「ゲームボーイ」が発売された約7年後、「ゲームボーイポケット」という、小型ゲームボーイが発売されました。この「ポケット」というのは、「ポケットモンスター」の名前から付けられているんです。
そしてポケモンの発売から数か月でゲームボーイポケットも発売されているので、ポケモンヒットのために作られたのかと思いきや、発売時期が近かったはただの偶然だったそう。
当時は「ゲームボーイはもう十分役割を果たしたから、別のハードを作ろう」という流れになっていて、ポケットはそんなに期待されて発売されたものではありませんでした。でも、ポケモンヒットの波に乗ってポケットの売り上げも激増。
結果として、次世代ゲームの開発より、ゲームボーイソフトのシリーズを増やそうという流れになりました。事実、次ハードの「ゲームボーイアドバンス」が発売されたのは、だいぶ後のことでした。
「ミュウ」が出ないカートリッジもあった?
初代ポケモンといえば「151匹」。当然、最後の1匹「ミュウ」までを含めて全部です。でもミュウって、最初はプログラマーの森本茂樹さんという方が、遊び心で入れただけだったんです。森本ご本人さんは言います。
入れたいという旨を、製作者の田尻智さんに伝えたところ
「そうしたら、やったらいいじゃんって言われて、やってみたんです。
忙しくてなかなか入れられないまま締め切りがだんだん近づいてきて、いざ入れようと思ったときには、もう居れるところがないんですよ。それで一度はあきらめてたんですね。
そしたら、テストで走らせるプログラムを入れるところがあって、そこは製品版では空くわけです。じゃあ、そこに入れようかということになって、ぎりぎりになって入れました」
そこまで確信犯的にいれたというよりは、なんとか入れれる隙があったら、最後にちょっと入れてみてって程度だったんですね。
そしてそれがプレイヤーによって発見されたのですが、それはあくまで「バグ」という扱いなので、販売の途中から「ミュウが出ないカートリッジ」が売られるようになりました。なので、中盤以降の時期にソフトを買わなかった人は、ミュウがそもそも出ない仕様になっているんです。
それでは不平等になってしまう。そう考えた田尻さんは、「ミュウをプレゼントしてはどうか?」という案を出し、コロコロコミックにて抽選でミュウが当たるようにしました。
20名しか抽選で当たらないそれに対し、応募で届いたハガキは、なんと約7万8000通!
当時の小学生人口の、約1%が応募した計算になります。子供の中での完全な社会現象ですよね。
数か月後、同じ募集をかけてもやっぱり8万通近い応募が届きます。
結局、「次世代ワールドホビーフェア」にて、ミュウが欲しいと来た人みんなにプレゼント(自分のポケモンと交換)するイベントを開催しました。
青バージョンの売れ行き
赤緑大ヒットの流れで「青バージョンも出そう」という話になりました。そして、「ミュウプレゼント企画」で大量にハガキが届いたコロコロコミックを、販売の経路にすることになったのです。「ミュウ」の一件で、普通に販売するよりも勝機が高いと判断されたんですね。
当初コロコロサイドは、強気に「30万本用意しておこう」と見積もっていました。そして売れた本数は、
その倍の60万本。いい意味で予想が裏切られました。
そのせいで、受注発想のシステムが1週間でパンクしてしまい、発送に時間がかかってしまいクレームが殺到。毎日がクレームの電話だらけで、売り上げが伸びて嬉しい反面、内部の人たちは相当つらかったそうです。。。
金銀編の裏話
ここからは金銀編についての裏設定です。ゲームのポケモンは元々、「金銀編で完結する予定」だった??
赤緑シリーズの大ヒットもあり、続作の金銀は「究極のポケモンソフト」という気持ちでスタッフは望みました。
故に、それ以降の続編は無いものと考えられていたそう。
しかし、日本だけではなく海外にも人気が発展し、
完結の予定はいい意味で無くなりました。
たしかに、ルビサファ以降のソフトは
それまでのポケモンシリーズの感じとは少し違うものな印象を受けます。
それは、やはり金銀編が1つの区切りだったことが
大きいのだと思います。
ゲーム金銀編のライバルは「サカキの息子」だった??
金銀で登場したとあるキャラが「サカキには息子がいて、彼は『あかいいろのかみ』をしている」
という旨の話をしています。
ゲーム中ではそれ以上のとっかかりがないため
それがあの長髪のライバルなのかは定かではありませんでしたが、
「幻影の覇者 ゾロアーク」でのイベントの中で
「サカキの子供はライバルである」ということが明言されました。
こういう裏設定、個人的には大好き!
好奇心をかきたてられますし、
初代が「オーキドの息子」であったならば
金銀はこういう設定があるとさらにいい感じがします。
ルギアに「水タイプが無い」理由
映画「ルギア爆誕」では「海の神」として登場した訳ですが、
ゲームでは何故か「水タイプ」が無かったですよね。
「飛行タイプ」があるのは分かりますが、
もう1つはなぜか「エスパー」。
その理由は、
当時、エスパータイプが強さの象徴になっていたから。
前作では「ミュウ・ミュウツー」が伝説のポジションにいた訳で、
2作目でもやはりエスパーを入れたかったんですね。
個人的には、ホウオウが「炎タイプ」なわけで
そこは水で行こうよ!!!!!
って感じなんですけどね(^_^;)
主人公宅のテレビで流れていた映画は?
主人公の部屋に行くとテレビが付いていて、ボタンを押すと映画の情景がコメントされます。
1作目は、名作映画「スタンドバイミー」。
「映画の中で子供たちが線路の上を歩いている。僕ももう行かなきゃ!」というセリフが印象的。
そして2作目は、「銀河鉄道の夜」。
セリフは、
「男の子が2人旅してる…汽車の窓から星が見える…ぼくもう行かなきゃ!」あの宮澤賢治の小説のアニメ作品が流れていたのです。
どちらも作品も超が付くほどの名作であり、
少年時代の強くも儚い時代を描いたもの。
ポケモンの世界観に、そっと寄り添うようにマッチしていると思います。
終わりに
赤緑という、ゲーム界の金字塔の続編という事で、こういった裏設定にもかなりの意欲を感じました。
サカキの話などは
「もっと深い設定を作ろう」という感じがしますし、
ルギアの話などは「もっとゲームとして面白くしよう」という印象も受けます。
個人的に一番「へえ!」と思ったのは銀河鉄道の話。
宮澤さんの本をあらためて読みたくなりました。
スタンドバイミーもそうですが、
ポケモンにはノスタルジックな少年性を感じる作品なので、
それは銀河鉄道にもリンクする感じがしたので
「ナイスチョイス!」と思った次第です。
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以上です。読んでくれてありがとうございます。
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