ヒクソングレイシーのトレーニング&呼吸法。ヒョードル戦の裏話も

「400戦無敗の男」と言われたヒクソングレイシー氏の、
独自の呼吸法・3つのオリジナルなトレーニング法
そしてヒョードル選手との対戦オファーの話を、

彼の著書、「心との戦い方」の文章を引用させてもらいながら
紹介します。

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「動物をマネる」独特な呼吸法

当時17歳のヒクソン氏は、
格闘技に取り入れられるものは色々と取り入れたいという気持ちがあり、
様々なものに挑戦していました。


そんな中で出会ったオルランド・カニ氏という元軍人の人に、
「ケンポー」というヨガを、週3日1時間くらいずつ学ぶことに。

それは一風変わった訓練が行われており、
簡単に言うと「動物になりきって動きを真似する」という行為を
徹底的にやりきる
というもの。

例えば、猿の歩き方・仕草・鳴き声を真似したり、
他にも、ライオン・ワシ・鷹・蛇などの真似も詳細に行いました。


それを3、4か月続けていたある時、
先生であるオルランド氏が電話のため席を離れ、
その間1人でその練習を続けていたところ、
彼はこんな状態になっていました。

私は、いつしか、我を忘れていたようだった。
どのくらいの間、そうしていたのだろう……。
目を開けて、ふと我に返った。

すると、稽古場の隅にオルランドが立っていた。
彼は、涙を流していた。


「ヒクソン、君は1時間以上も人間の世界を離脱していた。
動物になりきり、動物のような呼吸をしていたんだぞ。」


そう言われて、私は本当に驚いた。



それは、”エンプティマインド”、
もしくは、”無我の境地”と呼ばれる状態だった。
(著書「心の戦い方」より)



一見すると、動物の真似??何のためにやるの??
って思ってしまいますが、
それを行う事で、野生動物に近い呼吸法を身につけることができたのです。


彼は同著書でこう綴っています。

通常、人間は自分の肺の三分の一程度しか使っておらず、
残りの三分の二は休止していると言われている。

しかし、この呼吸法を会得したことにより、
私は野生動物のように、肺のずっと多くの部分を使えるようになった



なるほど。

たしかにそうすれば
心拍数も著しく下げることができますし、
試合中に息が上がることも少なくなりますね。

当然回復力も上がるので、一般人も身につけたいところではありますが、
おそらく僕みたいな凡人がやっても
ただのおかしな動物のおふざけ物真似をするだけで終わってしまう気がします(^_^;)


大きな才能を与えられ、
さらに本気で武道を身につけようとしていた彼だからこそ
習得できた技能
と言えるでしょう。




3つのオリジナルなトレーニング

呼吸法だけでなく、彼にはオリジナルなトレーニングが他にもあります。


① 自ら柔術を構築

格闘技好きなら有名な「グレイシー柔術」というのは、
彼の伯父、父親、兄弟と共に始めたものだったのですが、

それを最年少で練習していた彼は
「これって、まだまだ付け加えられるやり方があるのでは?」
という旨のことを思い始めます。


そしてそれが習慣化していき、
同じテーマの練習を自分が完全に納得するまで何日も続けるように!


同著の中で彼は、

このようなことを考えて練習したのは、
私が知る限り、一族の中で私だけだった。

と明記しています。


読んでいて思ったのは
彼はまず格闘技が大好きで、
それだけではなく、「研究家」としての才もあったのだろうということ。


「今までにない技を見つけよう」という精神は
「闘ってて楽しい!」という感覚とはまた別種のもの。

日本の青木真也選手も、他では見たことのない寝技を繰り出したりしますが、
やはりトップどころのグラップラーは
探究心旺盛で、自分で技の研究をしたがるため、
世界の最先端を行くことができる
のでしょうね。



② 自然と向き合う

彼は「趣味」ではなく「トレーニング」の一環として、
山登り・水泳・滝から飛び込む・サーフィンなどを行っていました。


それは、体を鍛えるためというよりはメンタルを鍛えるためのもので、
「大自然に比べれば誰だろうがちっぽけな存在」
ということを実感できることで、
気持ちを大きくさせていたのです。


僕は失恋した時、空を見上げて
「・・・空って、こんなに広かったんだ」と感じる時がありますが、
まあそれと一緒ですね(←違います)。



③ 冬の湖に浸かる

これもまた彼らしいメンタルの訓練ですが、
極寒の川や湖に1分〜1分30秒ほど体を入れることもしていました。

それができれば、
人間との戦いで何が起ころうと、パニックになるわけがない
……そう考えて始めたわけだが、その効果は十分にあったと考えている。


と書かれていましたが、
冬の湖って想像を絶するくらい冷たくてたまらないみたいです。

当然僕はやったことないですけど、
それを日常的に取り入れるって、ものすごい覚悟だと思います。
(一般の人が行うと大変危険です。絶対にマネはしないでください。)

彼は文字通り自分の人生をかけて闘っていた
いわば侍のような魂を持った人なので、
こういう、緊張感のある訓練は彼らしいと言えますね。


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ヒョードル・桜庭選手との対戦オファーもあった!

2000年代前半、
彼はあのヒョードル選手、桜庭和志選手との対戦オファーもあったそうです。


残念ながら、彼の息子さんに不幸があり、
精神的な悲しみからリングから遠ざかっていた時で、
試合が実現することはなく、

2006年ごろにもヒョードル戦のオファーがあったそうですが、
それも彼の足のケガのために流れてしまいました。


「無敗幻想」のある彼ですから
格闘技ファンの間で、「もし組まれてたらどっちが勝ってたかな?」
という話が出たりするんですが、
(少なくとも僕はたまに話します)

もう過去の話とはいえ、
一度対戦を見たかったというのが正直なところです。




終わりに

当時のプライドを見ていた人は
桜庭さんが、ホイス選手やホイラー選手に勝ち、
「グレイシーハンター」の異名が出てきた時に

「次はヒクソンとやってくれ!」
という気持ちになった人も多いでしょう。

僕もその一人です。


今もUFCなどで、格闘技は世界的に人気がありますが
あの、初期のプライド独特の空気は
他では味わえませんでした
からね。

高田延彦戦しかり、船木誠勝戦しかり、
そんな夢を見させてくれてありがとう!

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