元K-1ファイターの魔裟斗さんの、
格闘技に関しての3つの違いをまとめました。
①格闘技への考え方
両者ともそのジャンルで日本人70kgのトップといって過言ではない実力を持っていましたが、
格闘技に対しての考え方はかなり異なる印象を受けました。
青木さんは「夏休みの続きのような感覚」
青木さんは「夏休みの続きをしているようで、なんか申し訳ない」
という旨の発言をしています。
簡単に言うと
「好きを仕事にしている」タイプの人ですね。
色んな責任を背負った上で闘ってらっしゃる訳ですから
好きを仕事にって言っても
決して気楽なものではないでしょう。
大変なことも多いと思います。
でも、半日ずっとトレーニングをしていて、
どうしたらもっと技術が向上するのかを考えながら日々過ごす時に
そのジャンルが心から好きって思えながらやれるのは
個人的にはうらやましく思います。
そのあくなき探究心が強さにもつながっているはずです。
魔裟斗「一番つらい道を行くのが成功への近道」
魔裟斗さんは、格闘技は好きだけど、
それ以上に「苦しくても乗り越えてみせる」
というタイプの人。
「努力型」「目標達成型」と言い換えてもいいでしょう。
2008年の早い時期に
「今年は優勝するって決めちゃったんです」と発言し、
有言実行の美学で世界王者に返り咲いたのが印象的でした。
目標をはっきりと決めなくても
自然展開的に道が開けてしまうタイプの人もいますが、
彼はしっかりはっきりと目標を立て
それに対して人の何倍も努力をして頑張る
というやり方が性にあっているのだと思います。
②有名になりたいか
スポーツをしていても、有名になりたい人、なりたくない人に分かれますよね。
「下の世代に夢を見て欲しい」と思う魔裟斗さん
世間的な認知度でいえば青木さんより魔裟斗さんの方が知名度は高いでしょう。
別に魔裟斗さんは「とにかく有名になりたい」
というタイプの人ではないですが、
「K-1をメジャーにするためならなんだってやる!」
という確固たる決意の元、
ドラマやバラエティ番組に多く出演するように。
現在も新生K-1の解説などで活躍されていますが、
個人的には「彼の解説があると倍楽しめる」と思えるほど
素晴らしい的確な解説をされています。
格闘技に限らず、本当にこの人は努力の人なんだなーと感じます。
そうして成功されている彼ですが
「下の世代に夢を見て欲しい」という気持ちから
現役時代はオシャレな格好をしている場面が目立ちました。
現役を引退された今も
「体型が変わったらファンは悲しむ」という想いから
現役時代以上の筋肉のある体をキープされています。
青木「家族が生活できて、自分がやりたい事をやれればいい」
青木さんがおっしゃっていたのは「家族が生活できて、子どもが学校行けて、ということ。
僕が好きなこと出来るだけのお金があればいいんです。」
有名になりたいという願望は無く
試合の時だけ輝ければそれで十分という考え方。
格闘家としての強さだけで考えれば
魔裟斗さんくらい世間的な知名度があったって
なんら不思議じゃない実力がありますが、
ご本人はそれは望んでいない訳で、
ある意味で職人気質のような空気感を感じます。
いち格闘技好きの僕からすると
「こんなすごい選手をみんな知らないなんてもったいない!」
という気持ちもありますが、
そのコツコツと取り組んでいくスタイルもまた
青木選手らしいと言えます。
彼の有名な試合と言えば
廣田選手や、コスプレファイターの長島☆自演乙☆雄一郎選手の
大晦日の試合だと思いますが、
「あくまでも自分のスタイルを貫く」という確固たる気持ちがなければ
少なくともあの2試合はああいった展開にはならなかったと思います。
③引退後のプラン
選手時代よりも、その人の個性がより濃く現れるのが引退後どういった生き方を選ぶのかということ。
魔裟斗「格闘技の発展に貢献していければ」
魔裟斗さんは引退後にK-1エグゼクティブプロデューサーに就任。
それを辞任した際も
「広い意味で格闘技の発展に貢献していければと思います」と引退しても格闘技に関わろうとする姿勢を感じる発言をされています。
現在も解説者をされていますし、
彼が「この選手はすごい」と若い選手を称賛することで
「あの魔裟斗が認める選手なのか」と
1つの大きな基準としてその人を見ることができ、
そういう意味で、彼ほどの力と知名度を持った人が
今後もK-1に関わり続けてくれることは
本当に大きな財産だと思います。
青木「引退したら格闘技には関わりたくない」
青木選手はインタビューの中で「引退後は田舎でのんびり暮らしたい」という旨のことをおっしゃっています。
引退後も、格闘技に関わろうとする人は多く
ジム経営をしたり、解説をしたり、イベントを立ち上げたりする人もいる中で
彼はそうじゃない選択肢をするんだなーと思いました。
たしかに、プライヤーとして大きな才能があったとしても
指導者やプロモーターとしての才能は全く別のもの。
そして例えそこに才能があったとしても
「自分がやりたいことか」と言えばそうとも限らないでしょう。
引退後はスパッと切りかえるというのも
生き方の1つですから。
終わりに
異なる部分を3点にまとめて書かせてもらいましたが1つ大きく共通しているのは
「家族を大切にしている」という点。
父親ですから当然と言えば当然なのかもしれませんが
彼らの発言や言動などから
家族への愛情がいつも伝わってきます。
ただ、教育論で異なるのは
青木さんは「子供にも格闘技をやらせる」とおっしゃっていて
魔裟斗さんは「絶対やらせない」とおっしゃっていること。
トップアスリート同士ですが
考え方が色々違うというのはとても面白いです。
それぞれかなり異なる考え方なのに
世界のトップクラスで戦えるというのは
あらためて正解は1つじゃないんだと思いました。
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