『サマーウォーズ』。
この2つには、結構似ているところがあるので、
「パクリなんじゃないの!?」という声も聞かれます。
今回はその2作品の違いや
共通点についてまとめました。
パクリではない?
まず、はっきりさせておきたいのは、2作品とも、細田守さんが監督を務めているということ。
似てる作品を別の人が作った、ってなったら問題かもしれませんが、
同監督による作品であるため、
盗作ではなく、セルフリメイク作品ということです。
ちなみに、サマーウォーズの小説の解説ページにも、
ぼくらのウォーゲームが「原点である」
という旨のことを書かれています。
7つの類似点
この2作品の共通している箇所をまとめてみました。(ネタバレになりますのでご注意ください)
1.休み期間中である
(デジモンは春休み、サマーウォーズは夏休み期間)
2.田舎の町が出てくる
(デジモンは島根県、サマーウォーズは長野県上田市がモデル)
3.インターネット上に敵が現れる
4.インターネットのバーチャル空間の背景
5.インターネットを通して世界中の人々が戦いを観戦している
6.電話をかけて多くの人に協力を求める
7.時限爆弾が発動するが、時間ギリギリで回避
平たく言うと、
舞台と展開が似ていますね。
設定は類似していても、ネット環境は大きく違う
共通点をピックアップしましたが、当然異なる部分もたくさんあります。
大きく異なる点の1つとして、
8. インターネット環境の大幅な成長
が挙げられると思います。
『ぼくらのウォーゲーム』は、2000年の作品で、
『サマーウォーズ』は、その9年後の2009年の作品。
この9年は、ITが劇的に変わった期間と言えます。
2000年前後の時代では、
一台のパソコン設備を整えるのに約50万円ほどかかったため、
一般家庭にはあまり普及していませんでした。
それを象徴するような劇中のセリフとして、
「島根にパソコンなんてあるわけないじゃん」という、後にネット上で話題になった名言も生まれたほどです。
しかし、2009年ではコストも格段に安くなり、
また、携帯電話の機能の成長もあって、
より気軽にインターネットを使えるようになりました。
そんなインターネットの利便化により、
ネット利用者の数も大幅に増加。
サマーウォーズでは、2000年の時にはあり得なかった、
数億人という単位のソーシャルネットワークサービスが
モデルになっています。
両作品を見ることで、
「ネット環境の変化」を感じられるのも、魅力の1つです。
終わりに
ちなみに私は、先にサマーウォーズを試写会で鑑賞し、
その後、同監督の作品だと知らずにウォーゲームを視聴しました。
上記のとおり類似している部分があるので、
それを知らずに見て、面食らった気持ちになったのは事実です。
ただ、似ている事自体に嫌悪感などは感じず、
むしろ、両作品とも細田監督だったことを知って、
嬉しい気持ちになりました。
ネット環境の違いだけでなく、
内容やセリフ、キャラクター性など、
それぞれが異なる良さを持った別の作品であり、
どちらもAmazonやアニメSNSサイト「あにこれ」でも、
高い評価を得ています。
2作品のうち、どちらかを(あるいは両方を)見ていない人、
また、両方見たけどもう一度見返そうか迷っている人は、
共通点を知った上で見てみるというのも良いかもしれません。
関連記事
時をかける少女(アニメ版)考察。「未来で待ってる」の4つの解釈など
時をかける少女ネタバレ(原作小説)&アニメ版との3つの繋がり
「おおかみこどもの雨と雪」感想。ヒロインの13年間の成長など
以上です。読んでくれてありがとうございます。
コメントフォーム