もう連載から20年近く経つのに、
全然古さを感じない!
今回は、その感想と考察をしています。
7つの好きなところ
好きな場面はたくさんあるんですけど、個人的に、特に印象深いシーンを7つ挙げます。
①実果子が恋を自覚
序盤こそ「ツトムはただ隣に住んでる奴」的な感じでしたけど、
自分の気持ちに気付いてからの彼女が好きでした。
カブに乗ってる勇介に、
「ツトムの本命って 誰?」って聞いて、
「そんなのおまえに決まってんじゃん」って言われた後の同様っぷりとか、
すごい可愛かったw
あたしの左の胸の奥は
ドキドキしたりズキズキしたり
そして時々キュンて鳴く
これが恋ってやつなんだね
矢沢マンガは、各話の締めに
ラブソングの歌詞みたいな心のセリフを入れますけど、
この言葉は特に染みました。
②歩の、勇介への片思い
普段は大人しそうな感じだけど、勇介のことになると熱くなるところが好きでした。
そして、一人で抱え込むタイプでもあって、
悲しそうにしている彼女にも共感。
バディ子と勇介が元サヤに戻れたあと、
学校の屋上で泣きながら、
「よかったネ」「田代くん」って言ってたのが印象的でした。
……だめだ…言えないや…
どうしよう…困ったな……
笑って言えるはずだったのにな…
どうしよう……
バディ子の別荘に泊まった時も、
勇介への気持ちが溢れて泣いていましたし。
③バディ子と勇介の別れ
他のキャラがしっかりしすぎているためか、バディ子が浅はかな感じに見えてしまいましたが、
「学校辞めて彼氏とも別れて、自分の道を探す」
彼女は、すごく大人でしたね。
辞めることを、弟と彼氏以外誰にも話さず、
立つ鳥跡をにごさず去っていく場面は、
読んでて悲しかったし、
勇介の、
てめぇの明日も見えねぇのにってセリフにグッときました。
おまえとの未来に保証なんかできない
幸せに…なって下さい
④ツトムの愛情
ヒロインが父親のことを思い出して泣いている時も、実果子……
会いに行こう
大丈夫だよ
居場所はおれが探し出してやるから!
おまえの親父だって会いたいに決まってる!
誰にも言わないから…
心配いらないから!
一緒に会いに行こうな……
と言ったり、
ママが倒れて病院にいる時も、
おれはその……まだ半人前だし
なんともしてやれない事もあるかもしんないけど
でも 1人で悩むよりは
2人のがいーじゃん?
と、もうすでに「家族の一員」かのような
優しい言葉をかけてます。
まあ、ある意味で、
物心ついた時から家族ですからね。
⑤委員長との友情
番外編で、中学時代を描いた「カラフル」という話の中に出てきた委員長。
目立たないタイプの彼女が、
実果子に対して
モノトーンの群からはぐれた
フルーツキャンディーみたいな女の子
いつも窓の外ばかり見てた
瞳の奥に七色の夢を宿して……
って言ったセリフが印象的でした。
⑥キラキラ星人の優しさ
イケメンアシスタント、如月星次(きさらぎせいじ)もキャラが立ってましたねww
アシスタントというよりは、
「家政婦(家政夫?)」兼「心の癒し」みたいなキャラでしたが。
同じクリエイターとしての道を進むヒロインに対して、
一度はキツイことを言う彼でしたが、
今一番大切にしたいと思うものをとアメとムチを使い分けてたあたり、
精一杯守ればいい
それもひとつの大きな勇気だよ
さすがキラキラ星人。
⑦ 実果子とパパママの家族愛
父親の写真展に「櫻田実果子」と書き残し、それに気付いた父が
海に来て彼女と抱擁したシーンは大好きです。
その後、家族が絆を取り戻し、
パパとママの
『「ごめんください」じゃなくて「ただいま」かな』って名言も良かった。
『おかえりなさい』
ヒロイン実果子の特徴
やっぱり物語の顔であるヒロインがどんな人なのかで、面白さも変わってきます。
彼女の特徴を4つほど挙げてみます。
①芸術家
奇抜なファッションで我が道を行くタイプ。
これが一番基本にあるキャラだなーと思います。
ジュディアンドマリーが好きな設定ということもあり、
ファッションとか体の大きさとかYUKIさんにちょっと似てますね。
最近だと、きゃりーぱみゅぱみゅさんを見るたび、
「実果子っぽいなー」と思います。
②傷付いた少女
幼いころ両親の離婚があって、頼りない母親の分まで頑張ってはいるんだけど、
「本当は誰かに支えてもらいたい」ような
弱い一面も持ってましたね。
ツトムに対しての気持ちもそうですけど、
父親へのファザコンも、
徳ちゃんへのブラコンも、
「女だけで頑張らないと」という気持ちの裏にある
「支えられたい」という繊細さを感じました。
③強がり
留学のことで星次にキツイこと言われた時も「くやしい!」ってなってましたし、
自分を奮い立たせる時に
ファッションが奇抜になるというのも
良い意味で「強がってる」感じでした。
でも、この感じは
ツトムとの関わりの中で薄れていって、
リサに冷やかしで、
どうだった?オトナになった感想はと訊かれた時、
オトナになったとゆーよりと「もう意地を張らなくていい」
コドモに戻ったみたく素直な気分だよ
という、肩の荷が降りたような柔和さがありました。
④恋する女子
本来は生粋のアーティストタイプなのに、留学と恋愛で悩んでいた時に、
あたしの乙女モードは
全開になってしまった
浜田先生 校長先生 ごめんなさい
あたしやっぱり
ツトムのそばにいたい
と言った彼女は
完全に乙女ですね。
バディ子にも、その変貌ぶりを驚かれてましたし。
決断としては留学を選んだ訳ですけど、
別に「夢>恋」ってなった訳じゃなかったと思います。
夢を選んだ彼女が正しい訳でもないし、
恋を選んだリサが間違ってる訳でもないですから。
ツトムを
恋しいと思うのは当然なんだ
寂しさとか せつなさは
乗り越えてなんかいかなくていい
受け入れて 抱えながら
歩いていけるようになれればいい
留学している時、
泣きながら思うこの言葉も好きでした。
おわりに
矢沢あいのマンガと言えばNANAと天ないが有名なので、
この作品は少々影に隠れてしまいがちですけど、
最後は明るい気持ちになれる
ポップな作品です。
しばらく読んでないという人は、
久しぶりに読み返すと、
きっとあったかい気持ちになれますよ。
以上です。
読んでくれてありがとうございます。
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