幽遊白書の最終回までのあらすじを「魔族との関係」という観点で見る

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幽白を全巻呼んでいる人の多くは
感じているでしょうが、

最初の方と最後の方で、
同じ作品とは思えないくらい
方向性が変わってましたよね。

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きっと、冨樫氏や編集者の方の試行錯誤があったのだと思いますが、
よく読んでみると、
その変化の中に物語の流れを感じました。


今回は、
最終回までの流れを、
「人間と妖怪の関係性」というフィルターから
再解釈してみました。




人と魔族の関わり方の変化

物語を4つの章に分けて、
それぞれのあらすじを踏まえて
自分なりを解釈をまとめました。


①序盤:霊界や魔界の設定紹介

まず最初の方のストーリーは、
簡単に言うと「人情系」

霊界探偵になった浦飯幽助が、
コエンマから霊丸の使い方を教わったり、
ぼたんと任務を二人三脚でこなしたりして、
成仏できない少女やおじいちゃんと助けたりする
かなりヒューマンな内容。


個人的には、
ここらへんも結構好きです。

おじいちゃんとタヌキの話は号泣しましたから。


この最初はいわば、
人間界と霊界の繋がりを見せるための
「設定紹介」部分だと思っています。


そしてその後は、
蔵馬や飛影などの妖怪達も登場し始め、
物語の骨組みがハッキリとしてきます。



②戸愚呂編:人間と妖怪の比較

朱雀編から戸愚呂編にかけての流れは、
ドラゴンボールやスラムダンクと並び、
90年代に全盛となった
「王道バトル漫画」の匂いを色濃く感じる内容。


裏の世界の大イベント「暗黒武術会」に乗り込み、
優勝すれば望むものを手に入れられるけど、
負ければ命をもかけなければならないというトーナメントバトル。



そしてそこで僕が一番感じたのは、
「人間と妖怪の違い」
でした。


それを象徴していたのは、
幻海と戸愚呂のやりとり


あんたが年をとれば あたしも年をとる
それでいいじゃないか
という、自然に年齢を重ねる事を選んだ幻海に対し、

人間から妖怪に転身し、
衰えない強さを求めた戸愚呂。


そして物語のクライマックス。

100%の戸愚呂を倒したのは、
ばあさんの霊光波動と、
彼女の遺志を受け継いだ浦飯
でした。


随所随所で、
人間と妖怪は違う生き物なんだ
と感じさせられる場面でした。


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③仙水編:人間と妖怪の類似性

続いての仙水編は、
「特殊な能力者」達が次々と出てくる内容。

その原因は、
魔界につながる界境トンネルが開かれようとしていて、
一行は、それを防ぐため蟲寄市へと向かい、
トンネルを開けようとしている仙水と対決。



この辺りから、
王道のバトル漫画の域を超え、
知略戦や道徳観が色濃く描かれ始めます。


個人的に僕が感じたのは、
「人間と魔族の類似性」


それを最も象徴しているようだったのが、
人間でありながら、魔族に強い憧れをもつ仙水忍と、
妖怪でありながら、人間の男に惹かれた樹の関係性。

明日『ヒットスタジオ』に戸川純が出る
というセリフから、
人間と妖怪が実は似ている生き物なんだ
感じさせられました。


そしてそれでありながら、
忍と樹という変わった関係の関係描写から、

交わり合えるようで交わり合えない
人と魔族の微妙な関係性を表しているように思いました。


で、最後に忍を倒したのが、
人間から魔族に覚醒した幽助

主人公自体が妖怪になったことで、
何を正義とし、何を悪とすべきかの線引きが、
ますます難しくなっていきます。



④魔界編:人間と妖怪の共存

そしてラスト。

「なんか中途半端な終わり方だった」
と叩かれることも多い魔界編。
(個人的には、ライトな終わり方で好きでしたけど)


魔界を3分している雷禅・黄泉・躯のもとに、
それぞれ、幽助・蔵馬・飛影がつき、

幽助は雷禅にリベンジを挑もうとしていた際、
食を絶っていた雷禅は力尽き、
魔界統一トーナメントを開催する。


僕が感じたのは
「人間と妖怪の共存」


それを象徴していたのが、
幽助の父・闘神雷禅と、
人間の食脱薬師(くだくすし)の女
の関係。

2人の描写自体は少なかったですが、
食脱薬師との出会いが雷禅の転機だったり、
2人が浦飯の遺伝子的な両親であったり、
彼等の関係が物語の展開の大きな基盤になっていました。



魔界で一番強いであろう雷禅が、
その強さを投げ打ってまで選んだのが、
食べるのをやめること。


いつか普通の人間も
海外旅行気分で異界を往来する日が来る。
その時にオレたちは邪魔なんだ
というセリフから、

自分を否定してでも、
「魔界と人間界は共存していくべきだ」
という想いを感じました。


そして雷禅の没後、
すぐに幽助が向かったのが黄泉のところで、

そこで提案したのが、
ただのケンカしようぜ 国なんかぬきでよ
という、
数百年続いた魔界の秩序を根底から壊すような提案。


「魔界とか人間界とか、そんな分け隔てどうでもいいだろ」
というメッセージにも受け取れました。




以上を簡単にまとめると、
「設定紹介」→「比較」→「類似性」→「共存」
という流れを感じました。


ハンターハンター以降の冨樫氏とは
きっとやり方が違うと思うので、

きちんと計算してそういう流れを作ったというよりは、
成り行き的にこういう流れにたまたまなった
という感じなのかもしれませんが

個人的には、
そこまで軸がぶれている漫画という印象では無いですね。


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おわりに

「もし幽白に続編があったら?」
というのをたまに妄想します。


現実問題としては
かなり前に終わった作品なので、
連載再開などはしない方がいいと思いますが、
ただ想像だけしてみるのは面白いものです。



物語の流れから次の展開を考えるのなら、
次は「人間と魔族の不調和」
をテーマにすべき、と思っています。




例えば、

魔族になった幽助と雪村螢子や、
桑原と雪菜の「人と魔族カップル」は
どうやって長く関わっていくのか、
とか、


HUNTER×HUNTERのキメラアント編で、
カイトを助けるためピトーのもとに行き、
結果色んな苦しみを体験した、

あのゴンがもし幽助だったら
ピトーに対しての対応はゴンとは違ったのかな?
とか、


レベルEの、人間とマクバク族の交配により、
地球が絶滅してしまう怖れがあるという話は、
結局、王子の頭脳によって回避しましたが、

あれが幽助達一行に試練として降りかかったら
どんな切り抜け方をしたのかな?
とか、


考えると色々な展開が浮かんできます。


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カテゴリ:マンガ  [コメント:0]

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