時をかける少女(アニメ版)考察。「未来で待ってる」の4つの解釈など

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2006年のアニメ映画「時をかける少女」考察をしました。

終盤の千昭くんの発言の意味や、
「走るシーン」が多い理由を考えてみました。

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千昭の言葉の意味


物語終盤で、
そっとヒロインの真琴を抱きよせ
「未来で待ってる」
と言った彼の言葉。

あれはどういう意味で言ったのか
4つの解釈をまとめました。


①会えることが分かっていた

真琴のいる時代から2、3年程度で、
彼が話す大飢饉のような状態になるかというと、
個人的にはならないような感じがします。

真琴は高校生、
平均寿命を考えれば、
あと70年くらい生きられる可能性が高いです。

もしも、彼が約70年後から来ていて、
おばあちゃんの彼女を知っていて、若い頃の真琴に会いに来た、

そして若かりし時代の彼女に恋をしたという展開だったとしたら、
それはそれで僕はロマンチックに思えます。



②もう会えないけど、ずっと真琴を想ってる

もしも、もう二度と会えないくらい遠い未来から来たのだとしたら
「好きです。付き合って」的なことを言うのは無粋にも思えます。
(中盤の自転車こいでるシーンでは言ってたけども。)

まあ
「未来で待ってる」
発言も
変に気を持たせてしまう言葉ともとれますけど、
「付き合って」よりはぼやかした言い方だとは思いますので。


その河原のシーン、
キスするの!?と思ったら優しい抱擁だったという展開でしたが、
あえてキスをしなかったのも、彼の最後の優しさだったのかな?


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③あの絵を俺の時代まで繋いでくれ

千昭は、この時代にしか無い一枚の絵を見るために、
美術館に何度も足を運んでいたのが印象的でした。

真琴がラストの功介達との野球のシーンで
「私もさ、実はこれからやること決まったんだ」
と言ってましたが、
作中の中で思い当たるとしたら
「あの絵を彼の時代まで繋いでいくこと」ではないでしょうか。


まあ、はっきり明言している訳ではないので、
「そういう解釈もできる」程度の感じですけど、

でも物語の後半で、
あの絵、未来へ帰ってみても、もう無くなったり燃えたりしない。
千昭の時代にも残っているようになんとかしてみる。

と言っていますから、
その可能性は高いと思っています。



④魔女おばさんとの対比

原作の筒井康隆先生の小説で主人公だった芳山和子が、
通称魔女おばさんとして
真琴の叔母というポジションで再登場しているのですが、

彼女は映画の中でこう言っています。

「いつか必ず戻ってくるって言ってた。
待つつもりはなかったけど、こんなに時間が経っちゃった。

長くはなかった。あっという間だった。

でも真琴、あなたは私みたいなタイプじゃないでしょ?
待ち合わせに遅れてきた人がいたら、走って迎えに行くのがあなたでしょ?


彼女はどちらかというと「待つ」タイプの女性。

というか、未来へ行ってしまった人と会う約束をしたなら、
「待つ」という感覚になるのが一般的だと思います。


それをこの映画では、
千昭が待つ、真琴が迎えに行く、
と、あえてポジションを逆転させて描いている
訳です。


これによって、より真琴の個性が際立ちますもんね。




上記4つの可能性以外だと
「最後のシーンの千昭は、真琴が見た幻なのでは?」とかも考えましたが、
さすがに違うし、そうだとしたら悲しすぎ!と思い却下(笑)


走るシーンがある理由

作中では、ヒロインが走ったり動き回ったりする場面が
随所に見られましたが、

特に印象的だったのは、
ワンカット約50秒という長い時間を
何の説明もなく真琴が走っている
というシーン。



正直僕は最初見た時
「この長い時間は何?」と疑問を感じたのですが、

テレビ番組のトップランナーという番組に
この映画の監督の細田守さんがゲスト出演した際、
こう話していました。

「見た人がね、
真琴の中に何か見てほしいな、

走って行く者の姿を見ながら何か考えてほしいなっていう、
そういう時間だと思うんですね。」


なるほど。

あえて何も説明しない事で、
そこにどういう意味があるのかは見た人それぞれが考えられるように
作られていた
ということ。


その上であらためて見返してみると、
僕は、彼女の千昭への一心不乱な気持ちを感じました。

友達に「ホントは彼が好きだった」という旨のことを伝え、
とにかく1秒でも早く彼のところに!!という、
真っ直ぐな青春感。


僕は、走ったことって遅刻しそうな時くらいしかないですけど(笑)
彼女のように「心が走っていたこと」って
思春期には何度もあり、それを思い返すことができました。


あなたは何を感じ取りましたか?


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終わりに

その後、サマーウォーズやおおかみこどもなど、
大ヒット作を世に送り出している細田監督ですが、
僕はこの作品が一番好みです。

年中いつでも見たいものではありますが、
特に毎年夏ごろになると
「時かけ見返そうかな」という気持ちになります。


そこにある青春な感じとか
僕はあんなリア充な感じは学生時代経験してませんから(笑)
なおさら憧れを感じるのかもしれません。



関連記事

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「サマーウォーズ」と「デジモンぼくらのウォーゲーム」の8つの比較

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以上です。読んでくれてありがとうございます。


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カテゴリ:作品  [コメント:2]

コメントは2件です

  1. かものはし より:

    突然コメントさせていただきます。
    つい最近、映画天国で「時をかける少女」が再放送していたので見ました。大好きな映画ということもあり、じっくり内容の意味も考えながら見ていたのですが、色々と疑問に思うところがありました。それがまさに「未来で待ってる」と走るシーンの多さです。
    ですから、こちらのサイトの解釈を目にしたとき、正直「なるほどなるほど!」と目から鱗で、あまりの感動っぷりに思わずコメントしてしまいました(笑)
    特に、抱擁=優しさというお言葉、私としてはすごくいいな!と思いました。安易にキスをするより、彼なりの想いが込められていますよね。
    それから走るシーンですが、そんな意味があったとは知らず、大変驚きました。
    私も走ることといったら、「やばい遅刻する」しかないんですけど……でも、仰る通り、心が走っていたことなら、いっぱいあります!というか、この「心が走る」という言葉、すごく好きです(笑)

    なんだか急にコメントした上に、長くてごめんなさい。
    大好きな映画+とっても素敵な解釈だったので、ぐわーっと書いてしまいました。
    運よく金曜ロードショーでも放送するようなので、ありがたく違う見方をして鑑賞しようと思います。
    ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

    • サイト管理人 より:

      かものはしさん、コメントありがとうございます。

      僕も時かけ大好きです!
      やはり何度も見たくなりますよね!

      >こちらのサイトの解釈を目にしたとき、
      >正直「なるほどなるほど!」と目から鱗で、
      >あまりの感動っぷりに思わずコメントしてしまいました(笑)

      僕自身も最初疑問だったので、自分なりにまとめて書いたのですが、
      そう言ってもらえてうれしい限りです。

      >抱擁=優しさというお言葉、私としてはすごくいいな!と思いました。

      ありがとうございます。
      最初見た時は「ありゃ?」って感じだったんですけど、
      何度か見るうちに、あそこはむしろ抱擁で良かったんだろうなーと思うようになりました。

      同じく、走るシーンも、
      見返しているうちにしっくりくるようになりました。

      ロードショーでもご覧になるということなので、
      是非ぜひ色んな解釈や感じ方をして見て下さいね!

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